マレーシア|ペナン|イースタン アンド オリエンタル ホテル Eastern & Oriental Hotel 歴史と伝統を感じさせるサーキーズ兄弟ゆかりのホテル その威容は過去の繁栄を偲ばせる
ホテルはHeritage Wing(ヘリテージ・ウィング)と呼ばれる旧館と2013年にオープンしたVictory Annexe(ビクトリー・アネックス)と呼ばれる新館の2つから成り立つが、我々が泊まったのは旧館
旧館のドーム型ロビーは落ち着いた静寂さ
正面入口は凹を逆さにした上記写真右手の方、昔ながらのスタイルのドアマンが迎えてくれる。
白枠のドアの横には回転ドア、ドアの内側右手にはカウンター
中心部の天井がドームとなっている旧館ロビー
対面のソファに座って上を向いて小声で話してみると面白い。
右手の方に湾曲が美しいレセプションカウンター
雰囲気はクラッシックな佇まいで、歴史のかさなりを感じさせる。
レセプションカウンターの前にはソファが置かれ、寛げるようになっている。
*実際は写真よりも暗めの空間で、ここにいるだけで歴史の息吹を感じられる。
海側(左手奥)にはシャンデリアが天井に取り付けられた、吹き抜けになっている階段
階段下のソファがある場所にはホテルに泊まった著名人の写真が飾られているので、眺めてみるのも一興
正面入り口からぐるりとレセプションカウンターまで
レセプションカウンターからソファまで
チェックイン時にウェルカムドリンク
コースターもノスタルジーを感じさせるデザイン(売店Bombayボンベイで購入可能)
チェックインを済ますと、レセプション左奥のエレベーターで2ndフロア(3階)へ
当ホテルの階数は旧館新館ともに下記(英語)の呼び名で呼ばれるが、当ブログでは双方併記
Grand Floor・・・・・・1階
1st Floor・・・・・・2階
2nd Floor・・・・・・3階
3rd Floor・・・・・・4階
デラックス・スイートに聞こえてくる波の音
我々は旧館のデラックス・スイートに宿泊
入口近くの窓は海に面している(ただし我々の部屋は庭に植えられた椰子の木の葉で視界が遮られていた)。
窓の近くにゆったりとしたソファが壁に沿って置かれ、その後ろには大きな鏡
入口近くには、テレビと冷蔵庫の入った家具にミニバー
リビングとベッドルームの間には開閉できる白いスライドドア
大きなスライドドアの向こう、右手にベッド
反対側には荷物置き場、クロセット、鏡台
レトロなドアの奥はバスルーム
中心にバスタブを備え、左右に洗面台
すべての部屋に洗面台が必ず2箇所あるのが、E&Oの特徴のひとつ
ひげそりのコンセントのある左側の洗面台は男性用
右側の洗面台は女性用
右手前にフォレストシャワーのあるシャワーブース、左手前にトイレ(写真はドアに向かって撮影した為、逆に見える)
部屋の設備は昔を彷彿させるスイッチ、そしてひと昔前を思い起こす電気スタンドや電話など
細かいところにも、懐古主義的趣向が施されている。
中でもデスクは宿泊中気に入り、ここでポストカードや原稿などを書いていた。
海に面した部屋で、夜には波の砕ける音、そして滞在中に多かった雨にともなう西からの風
音をたて、なびく椰子の葉が、日頃シンガポールの街中に住む自分にも異国情緒を感じさせるに充分
旧館はドームのあるロビーから新館寄りは結婚披露宴などの人が集まる音が大きく感じる可能性があるが、反対側にある我々の部屋は椰子の葉に視界は遮られるものの、静かに過ごせた。
宿泊した部屋212は2ndFloor(3階)の端から3番目の部屋
ベッドルームの床は微かに海側に傾斜があるように感じられた。
充実のレストランでリラックス
Sarkies(サーキーズ) 06:30〜22:30 ブレックファスト06:30〜10:30 ランチ12:00〜14:45 ディナー19:00〜20:30
ブレックファスト(朝食)のビュッフェを新館Ground Floor(1階)のここで取った。
店内はL字型のスペース
ジューススタンドでは、スタッフにその場でミックスジュースをオーダー可能(2人以上)
ホテルのメインダイニング、広い店内に多くの料理が並ぶ光景は圧巻
新館に泊まる客はこことプランターでの朝食が可能だが、大抵の人はグランドフロアのここを選ぶと言う。
外の席も開放的な眺め
スタッフの動きもなかなかのもの
Sarkies Corner(サーキーズ・コーナー) 10:00〜23:00
旧館Ground Floor(1階)のこちらでは遅めのランチ
アラカルトメニューが主のレトロなダイニング
昔ここでアフタヌーンティーをした思い出の場所
1885 14:00〜23:00
1885トラディショナル・アフタヌーンティー14:00〜15:00 ディナー19:00〜22:30
旧館Ground Floor(1階)では英国麩アフタヌーンティー
英国風アフタヌーンティーが人気のお店
2段トレイに載せてテーブルに運ばれるサンドイッチ等
スコーンが美味しかった。
Farquhar's Bar(ファーキュア・バー) 11:00〜24:00
旧館Ground Floor(1階)
ペナンにもゆかりのあるRobert Townsend Farquhar、その名は通りのみならずここにも
E&O Sling(E&Oスリング) ホテルのお勧めカクテル 38MYR
Planters Lounge(プランターズ・ラウンジ) 06:30〜23:00 ブレックファスト06:30〜11:00 カクテル17:00〜18:00
新館6th Floor(7階)
エレベーターを降りたところにある入口からはいると真ん中にフードを並べる台があり、窓際にソファ、その向こうがバルコニー席
左手にソファが並べられた歓談席、右の方には壁等で遮られた席
宿泊客は無料でコーヒー紅茶を飲んでリラックスできる。
また、新館宿泊客は、17時から18時までイブニングカクテル無料(軽食とビールやワインなどのアルコール)
ここではぜひバルコニー席に座って海原を眺めながら過ごして欲しい。
プランターズでのブレックファスト
Poolside Terrace(プールサイド・テラス) 11:00〜22:30
新館6th Floor(7階)
新館のプールサイドでのダイニング
滞在中のホテル館内飲食情報は、部屋に置いてあるTheECHOを参考にされたい。
我々の滞在中は34号(2016年9月10月)
旧館と新館の2箇所にあるプール
スイミングプール
旧館の海に面した中庭にあるプールには、海からの風のせいか、波しぶきが入る為か、塩分を感じる。
新館6th Floor(7階)のL字型プール(子供用プール併設) 07:00〜20:00 深さ1.2m
スパの窓から見下ろす景色に遮るものはなし
Panpuri(パンプリ) プールと同階にあるホテル内のスパはタイのブランド
ジム
旧館Ground Floor(1階)のジムは、小ぶりながらもサウナ併設 ランニングマシーンはなし
新館6th Floor(7階) ジム器具のみ サウナはなし
Bombay(売店 ボンベイ) 09:00〜21:00 途中休憩時間で閉まる事もあり
Ground Floor(1階)ではホテルのロゴ入り商品や過去に使用されていた食器等が販売
旧館ロビーから新館の方へ向かう通路右手には、サーキーズ兄弟3人の肖像画が飾られてある。
何故かこのホテルの最後の責任者だった4人目の写真がないかは、説明を受けるがいまひとつ不明
そびえ立つ新館は数年前までは駐車場だった。
新館の正面入口から入ると、奥がエレベーターホール、左手の方にレセプションカウンター
レセプションカウンター前のソファは座り心地がよい。
*詳細説明は下記に明記
ホテルの施設について
ホテルのジェティからのホテルの全景
歴史と新たな息吹が目の前に
Heritage Wing 旧館
4階建 グランドフロア 1階 2階 3階 と呼ぶ。
建物には海に面した場所にスイミングプールが設けられてあり、そこに続くジムにはサウナも設置
売店のBombay(ボンベイ)ではホテルのオリジナルグッズも入手可能、また昔ホテルで使われたという古いコーヒーカプ、スープ皿なども販売されている。
新館へ繋がる方にボールルームがあり、週末となると結婚披露宴で賑わう。
・Superior Suite 4部屋 57SQメーター
・Deluxe Suite 64部屋 58SQメーター・・・・・・我々が宿泊した部屋
・Geogetown Suite 8部屋 79SQメーター・・・・・・見学した部屋
・Premier Suite 14部屋 58SQメーター
・Strait Suite 3部屋 87SQメーター
・Writers Suite 4部屋 135SQメーター
・Pinang Suite 1部屋 241SQメーター・・・・・・見学した部屋
・Java Suite 1部屋 258SQメーター・・・・・・見学した部屋
・E&O Suite 1部屋 522SQメーター
作家名のスイートは4部屋
1st Floor(2階) ノエル・カワード、サマセット・モーム
2nd Floor(3階) ルッドヤード・キップリン、ヘルマン・ヘッセ
*ただし、これらの作家がその名づけられた部屋そのものに宿泊したという事ではない。
施設
レストラン(ファーキュアー・バー、サーキーズ・コーナー、1885)
スイミングプール、ジム(サウナ敷設)
売店(ボンベイ)
グランドボールルームなど
訪れた週末にスタッフに案内され見学したボールルームは披露宴の準備中
旧館のバトラーボタン(我々の部屋にはベッドヘッド横)
これをONにするとオペレーターからバトラーに連絡が入り、部屋にバトラーが訪れる。
右の写真は、3年の経験のシニア・バトラーMs.Luan(ホテル提供の写真)
旧館ロビーでは、金曜日と土曜日の夜18時から19時の間約30分、Mr.Yeohによるピアノ演奏
その後は1885にて演奏
Victory Annexe 新館
エレベーターの階数表示は、G/5/6/7/8/9/10/11/12/15/16・・・・・・実質13階
4/13/14の3フロアは存在せず、地下階・1th・2nd・3rdは駐車場
Ground Floorはロビー階、5thはファンクションルーム、6thはスパ、ジム、スイミングプールとレストラン
7th以上が客室となる(ただし16thは今のところ何もなし)。
・Studio Suite 118部屋 55SQメーター・・・・・・見学した部屋
・Corner Suite 14部屋 123SQメーター・・・・・・見学した部屋
施設
レストラン(サーキーズ、プランター)
スイミングプール、ジム
スパ
E&Oギャラリー 10:00〜18:00 日曜日・祝日はお休み・・・・・・Ground Floor(1階)
Ernest Zacharevic x E&O ペナンのストリートアートで有名なErnest Zacharevicのギャラリー・・・・・・Ground Floor(1階)
Ernest Zacharevicについては=>
こちら下記写真はアルメニア通りのアート
白亜の旧館の造りは何とも美しく感じる。
今回は自費(割引料金)での宿泊ながら、食事のご提供、ホテル案内などの手配、写真撮影のご協力など諸々とホテルの皆様に配慮してもらいました。よって、招待宿泊に近い記載といたしました。
旧館と新館、宿泊に際しては好みの分かれるところだと思えます。クラッシックホテルの雰囲気に浸りたい方は旧館でしょうし、ハネムーンなどの方には新館のコーナースイートは魅力的だと・・・・・・
当記事が皆様の滞在の参考になればと願います。
お部屋訪問(近日公開予定)と合わせてお読み下さい。Daily Shuttle Services
>E&O Hotel>Lone Pine Hotel>Straits Quay>
10:00 EOH>LPH 10:30 LPH>SQ
11:00 SQ>EOH
13:30 EOH>SQ
14:00 SQ>LPH 14:30 LPH>SQ
15:00 SQ>EOH
17:00 EOH>SQ 17:30 SQ>LPH
18:00 LPH>SQ 18:30 SQ>EOH
20:30 EOH>SQ 20:45 SQ>LPH
21:45 LPH>EOH
予約はレセプションカウンターにて
Water Limousine Service Timetable
Eastern & Oritental Hotel>Straits Quay Maina
13:00 15:30 18:30
18:30 は土曜日は運休
Straits Quay Maina>Eastern & Oritental Hotel
12:30 15:00 18:00
月曜日は全ての便が運休
予約は売店ボンベイにて
1部屋2人まで無料(3人目からは往復RM10)
Harbour Cruise Timetable
毎土曜日
Straits Quay Marinaから18:30出港
ホテルへのピックアップ時間18:00
売店ボンベイにて前日までに予約
大人RM60、子供RM30(3〜12歳まで)
Java Olive(学名:Sterculia foetida) 1885年以前に植えられたと言われるこの巨木はホテルの変遷を眺めてきた証人とも言える(写真左)。
旧館のロービーのドームはホテルを象徴する造りとなっている(写真右)。
Eastern & Oriental Hotel(イースタン・アンド・オリエンタル・ホテル)
10 Lebuh Farquhar 10200 Penang
電話:+(6) 04 222 2000
客室内設備(宿泊した部屋:デラックス・スイート・キング ヘリテージ・ウィング)ミニバー | O | 冷蔵庫 | O |
湯沸かしポット | O | セイフティボックス | O |
WiFi | O | スリッパ | O |
日本語設備案内 | X | 歯磨きセット | O |
ヘアドライヤー | O | ウォシュレット | Δ |
NHKワールドプレミアム(日本語放送) | X | NHKワールド(英語放送) | O |
ウォシュレットではないが、ハンドシャワーが取り付けられてある。
ちなみに、ミャンマー・ヤンゴンのStrand Hotel(ストランド・ホテル 宿泊記は=>
こちら)、シンガポールのRaffles Hotel(ラッフルズ・ホテル 宿泊記は=>
こちら)がサーキーズ兄弟設立のホテルとして現存している。
The Earstern & Oriemtal Hotelの歴史
1884年4月15日 Tigran Sarkiesが、1A Light Street PenangにThe Earstern Hotelを設立
1885年 Martin SarkiesがTigran Sarkiesの事業に加わり、Farquhar StreetにあったHotel del'Europeを購入し、The Oriental Hotelとして再オープン
1886年 Aviet Sarkiesが兄たちの事業に参加
1887年 Tigran SarkiesがシンガポールにRaffles Hotelを設立
1889年 サーキーズ鏡台はThe Earstern Hotelを廃棄し、Farquar StreetのThe Oriental HotelをThe Earstern & Oriental Hotelに統合
1890年 Martin Sarkiesは母国に帰国、Aviet SarkiesがTheE&OHotelを担当、一番下の兄弟のArshak Sarkiesがシンガポールで事業に参加
1893年 Aviet Sarkiesはペナンを離れ、ラングーン(現ヤンゴン)で事業開始
1894年 Arshak SarkiesがTheE&OHotelの事業を担当
1900年 Aviet SarkiesがラングーンにThe Strand Hotelを開業
1907年 Arshak Sarkies TheE&OHotelに2階建ての北ウイング45室を建設
1910年 Tigran Sarkies、病気の為英国へ
1911年 ヘルマン・ヘッセ宿泊
1912年 Tigran Sarkies、Martin Sarkies死去
1915年 100室となり、ペナンで一番大きなホテルとなる。
1918年 Aviet Sarkies、健康問題で事業から離れる。
1923年 Aviet Sarkies、パリにて死去
1929年 ノエル・カワード宿泊
同年12月7日 Arshak Sarkies、東ウィングのドーム型ロビーを公開
1931年1月9日 Arshak Sarkies死去
1938年 ホテルはPenang's Runnymade Hotelへ売却
1942年〜1945年 日本占領下で陸軍上級将校宿舎として運営
1946年 The Runnymade Hotel Companyへ返却
1951年10月18日 The Choongs所有、Erstern & Oriental Hotel(1951)Ltd設立
1965年 ストライキ発生 The ChoongsはTheE&Oを閉鎖 起業家Chan Engが購入し、Chanファミリーによりホテル再開(10月20日)
1973年 The Jack Chia-MPH Ltd、株式の87.5%を取得 ホテルのマネージメントは変わらずChanファミリーが保持
1981年 Victory Annexを取り壊す。
1982年 大幅なインテリアのリノベーション
1994年 デベロッパーDato'sTerry Tham Ka Hon、Jack Chia Enterprisesを購入
1999年 大改装開始
2001年 再オープン
2004年12月26日 津波によりGフロア浸水
2013年3月 1923年に40室だったVictory Annex、駐車場になっていた建物が大幅に建て増されて新装、新館としてオープン
Martin Sarkies (1852–1912)、Tigran Sarkies (1861–1912)、Aviet Sarkies (1862–1923)、Arshak Sarkies (1868–1931)